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発達障害×高校受験 高校入試での合理的配慮を考える

高校受験教育

こんにちは。ひまわり(@hattatsusurvive)です。

大学受験での合理的配慮については、すでに記事にしました。

発達障害×大学入試 入試での合理的配慮を考える
発達障害のある方が、大学入試において、合理的配慮を受ける可能性を検討しました。センター試験では、事前の申請が必要ですが、合理的配慮が受けられる可能性があります。また、各大学の入学試験でも、同様の配慮を受けられる可能性もあります。事前にしっかり情報収集を行い、入試で実力を発揮しましょう。
障害があるとき、大学の入試や単位取得はどうなる? 大学の先生にインタビューしました!
障害のある学生が大学へ進学する際、気になるのは、どのような配慮を受けられるのかということではないでしょうか。今回は、某国立大学のA先生をゲストにお迎えし、インタビューを実施しました。今回は、受験時の配慮や、入学後の対応など、大学の制度について、詳しく教えて頂きました。

今回は、高校受験(入試)における、合理的配慮について、まとめてみたいと思います。

発達障害のある人が高校進学を目指す場合、受験の事って、気になりますよね?
受験時に、配慮してもらえるのか。
配慮してもらえるのなら、どんな可能性があるのか。

そもそも、高校受験で、配慮はしてもらえるの?

学校によるけど、可能性は0じゃないよ。

今回の記事はこんな事を目指します

・合理的配慮について知る
・発達障害のある受験生が、高校受験(入試)で受けられる合理的配慮を検討する
・受験時の具体的な配慮の例を知る

今回は学校の選び方については検討していません。
受験についてのみ検討している点にご注意下さい。

合理的配慮について考える

まずは、合理的配慮について、その内容や根拠について考えましょう。

合理的配慮とは何か

まずは「合理的配慮」の定義から。

「合理的配慮」とは、障害のある子どもが、他の子どもと平等に「教育を受ける権利」を享有・行使することを確保するために、学校の設置者や学校が必要かつ適当な変更・調整を行うことで、障害のある子どもに対し、その状況に応じて学校教育を受ける場合に個別に必要とされるものであり、学校の設置者及び学校に対して、体制面、財政面において、均衡を失した又は過度の負担を課さないものです。
引用:発達障害教育推進センター

「過度の負担を課さないもの」という条件はついていますが、障害のある子どもが求められる配慮であることがわかります。

合理的配慮の根拠

では、合理的配慮はどのように規定されているのでしょうか。
2016年4月1日に施行された、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(「障害者差別解消法」)が根拠となっています。

長くなりますが、引用します。

行政機関等は、その事務又は事業を行うに当たり、障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、当該障害者の性別、年齢及び障害の状態に応じて、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をしなければならない。
引用:「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」第七条2

この規定により、行政機関等の合理的配慮は明記されています。
しかし、「障害者差別解消法」では、具体的な配慮までは明記されていません。

高校受験(入試)での合理的配慮を考える

では、高校受験において、どのような合理的配慮が可能なのか、検討していきます。

文部科学省の事例紹介

文部科学省は、平成20年に調査を実施し、高校入試での、発達障害のある人への配慮の事例を紹介しています。

別室受検
試験時間の延長
集団面接を個人面接で実施
問題用紙の拡大
問題文の読み上げ
監督者による口述筆記
前日に試験会場の下見
介助者が同席
保護者の別室待機
学力検査問題の漢字のルビ振り
集団面接の際、誰かが先に行動を見せないと自分ではできない面がある生徒に対し、同じ中学校の受験生と同じグループで受検させた
面接の際、質問をわかりやすく伝え、回答を急かさない
面接の順番を早める
引用:文部科学省「高等学校の入学試験における発達障害のある生徒への配慮の事例

この事例を見ると、合理的配慮に、多くの可能性があるように見えます。
しかし、これらはあくまで、調査から見えてきた事例です。
発達障害のある受験生が、すべて、このような配慮を受けられるとは限らないという点に注意が必要です。

東京都での合理的配慮の事例

では、もっと具体的に、自治体での取り組みについても検討してみましょう。
ここでは、東京都の対応についてまとめます。

東京都教育委員会「入試Q&A」では、配慮について、具体的な例が挙げられています。

・問題用紙・解答用紙の拡大
・英語リスニングテストでの座席の配慮
・別室受検
・検査時間の延長
・記号選択式での受検
・ICT機器の使用
・介助者(代筆者や音読者などを含みます。)の同行

ただし、配慮については、以下の記述もあります。

申請は、12月に、在学する中学校を通して、所定の様式により行うこととなりますので、詳しくは、中学校の先生にお尋ねください。
引用:東京都教育委員会「入試Q&A

中学校を通して申請する必要がある点、申請時期が定められている点に注意が必要です。
また、申請は可能でも、委員会の判断で具体的な配慮が決められるという事にも留意する必要があるでしょう。

それでも、配慮例がこれだけ具体的に明記されているというのは、ありがたいですね。

その他の学校

では、他の自治体や、私立学校については、どのような配慮がなされているのでしょうか。

「障害者差別解消法」で定められている通り、行政機関等、つまり、公立学校では、合理的配慮が義務化されています。
しかしながら、その配慮の実例は、東京都ほど具体的に明記されている自治体は少ないです。
そのため、どのような配慮を受けられるのかは、不透明であると言わざるをえません。

また、私立学校では、合理的配慮は努力義務となっています。
そのため、入試における配慮は学校間で格差がある可能性を否定できません。

つまり、高校受験での合理的配慮は、自治体間、学校間で格差がある可能性が高いと考えられます。

高校受験は情報収集から

ここまで、合理的配慮について検討してきました。
その中で、ひまわりが気付いたのは、情報収集の大切さです。

受験時にどのような配慮が受けられるのかは、自治体や学校によって、差があります。
そのため、配慮を受けたい受験生は、それが可能かどうか、事前に調べる必要があるでしょう。

中学校で調べる

まず、考えられるのは、自分の通う中学校で、入試について教えてもらうという方法です。

中学校では、毎年、多くの生徒が高校受験を経験します。
そのため、中学校の先生方は、多くの受験ノウハウを持っています。

受験時の配慮についても、知っている、もしくは、調べてもらえる可能性は高いでしょう。
受験での配慮を受けたい場合、まずは中学校で相談してみるのがオススメです。

各高等学校に行ってみる

自分の希望する学校に行って、尋ねてみるというのも、情報収集になるでしょう。
多くの学校では、説明会や、オープンキャンパスを開催しています。
そういった機会に、受験時の配慮について相談してみるのも、情報収集として有効です。

また、今回記事では取り上げなかった入学後の配慮について知る上でも、説明会やオープンキャンパスは貴重な場になると考えられます。

高校受験を諦めない

今回の記事では、発達障害のある人の高校受験(入試)について、検討しました。
結論からいえば、受験時の合理的配慮については、残念ながら、情報が十分に開示されているとは言えません。

しかしながら、紹介した事例のような配慮が受けられる可能性もあります。
情報収集は必要となりますが、自分が必要な配慮をしっかり受けて受験できるケースもあるでしょう。

早め早めの情報収集を心がけて、納得できる受験に臨む事が大切です。

頑張れ、受験生!!

 

 

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