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障害があるとき、大学の入試や単位取得はどうなる? 大学の先生にインタビューしました!

大学教員2教育

こんにちは。ひまわり(@hattatsusurvive)です。

今回は、大学での合理的配慮について具体的な例を検討します。
ゲストに大学の先生を迎え、インタビューを行いました。

ゲスト、A先生はこんな方です。

・某国立大学准教授 40代男性
・理系学部で、学部生及び大学院生を相手にしています
・研究室で、研究指導・論文指導も実施中

A先生は気さくな方で、ひまわりの申し出にも快くご回答いただけました。
今回は、匿名でインタビューにお答えいただきます!

よろしくお願いします!

答えられる範囲で、何でも答えるよー

インタビューは長くなったため、2回に分けて記事にします。
今回は大学の制度についてのみ、伺いました。

 

大学としての支援対応

では、質問していきます!

対応体制

まず、障害のある学生についての、大学の支援体制について、教えて下さい。

うちの大学では、「教職員のためのガイドライン」が策定されています。
そこでは、合理的配慮についても明示され、教員にも周知されています。
また、「合理的配慮」を全教職員が行うことが義務づけられています。

対応部署

対応は、どういった体制になるのでしょうか?

「キャンパスライフ支援センター」内に「障がい学生支援ユニット」という部署もあります。
「障がい学生支援ユニット」が拠点となり、各学部・学科などと連携して対応します。

障害のある学生専門の部署があるということですね

そうです。
障害のある学生もしくは保護者が、相談窓口に相談し、配慮申請を行うことがスタートです。

配慮申請があった学生には、コーディネーターがつきます。
また、配慮計画も策定され、必要最小限の教職員に周知の上、担当コーディネーター等の協力の下で、支援等を開始します。

個人情報は保護されるのでしょうか?

教職員には守秘義務がありますので、安心して相談して下さい。

カウンセラーが常駐!?

その他に支援体制はあるのでしょうか?

うちの学部では、学部所属のカウンセラーが常駐した、カウンセリングルームがあります。
障害のある学生だけではなく、メンタルの不調を感じた学生・教職員が気軽に利用しています。

学部単位でカウンセラーが常駐という事ですか?

その通りです。全国的に見ても、極めて珍しい体制だと思います。
学内でプロのカウンセリングが受けられるのは、とても恵まれた環境だと思います。

入試(大学入試・大学院入試)での配慮

入試ついてもお話を進めます

受け入れ体制

入試での配慮について教えていただけますか?

各学部・学科、入試課、障がい学生支援ユニットが連携して対応します。
基本的には大学入試センター試験時の配慮を参考にします。

具体的な配慮の例を教えて下さい。

具体的にはこのような形です。

・車での入構手続・駐車場の確保
・試験会場・トイレ等へのアクセスの確保
・休憩室の確保
・座席配置
・別室受験
・時間延長
・問題・答案用紙(冊子)の拡大
・チェック回答
・リスニングの代替措置
・介助者の受入れ
・会場の温度設定等

こんなに配慮していただけるんですか?

どの程度の配慮が受けられるかは、受験生個人ごとの事情によって異なります。
『大学側としてこれだけの準備はしていますよ』という紹介だと思ってください。

合理的配慮を受けるには

では、入試で合理的配慮を受けるためには、どうしたらいいのでしょうか?

事前に配慮申請書類を提出して頂く必要があります。
提出された書類をもとに、どの程度の配慮が必要かの協議がなされます。

すべての希望が通るわけではないということですか?

そうですね。あくまでも、障害による不利益が生じないようにするための配慮です。
受験生の皆さん個々人の事情に応じて、真剣に協議し決定しています。

単位取得や進級、卒業など、入学後の支援

では、入学後の配慮についても教えて下さい。

配慮が必要な学生が入学した場合、合理的配慮検討委員会が開催されます。
委員会で決定された事項は、配慮依頼文書として、必要最小限の教職員に周知されます。

学習支援

具体的にはどのような対応が取られるのでしょうか。

このような対応ですね。

・ キャンパス内のバリアフリー状況の確認
・ 支援機器を整備
・ 支援学生配置の調整
・ 支援学生配置の調整。
・ 授業担当教員への説明、対応方法の調整

各講義の試験では、どのような配慮があるのでしょうか?

入試などと、大きく変わりません。このような対応です。

・座席配置
・時間延長
・別室受験
・問題・答案用紙(冊子)の拡大
・チェック回答
・リスニングの代替措置
・介助者の受入れ等

支援の幅が広いですね。

入試での対応と同じく、『これだけの準備はしていますよ』という紹介だと思って頂ければ。
障害によって学習の機会が損なわれないようにするための制度です。
学生さん個々人の事情によって、受けられる支援のレベルは変わります。

合理的配慮を受けるには

では、合理的な配慮を受けるには、どうしたらいいのでしょうか?

配慮を受けることを希望する学生は、医師の意見書を提出することが必要となります。
逆に言えば、そういった手続きがない場合は、配慮はしませんし、できません。

単位を英語で言うと、creditです。
「その授業内容について学習しました」という信用を、大学は発行しているのです。
それだけの価値があるものを、正式な手続きを踏まずに、手心を加えるというのは許されないのです。

大学という場と合理的配慮

かなり手厚い制度だという印象を受けました

障害の有無に関わらず、全ての学生が学ぶ権利を平等に保障されるべきという考えに基づいています。
こういった制度が整備されたのは比較的最近です。
教員側もまだ不慣れではありますが、適用されるケースは着実に増えているという実感があります。

では、A先生の具体的な経験も伺えますか?

はい。お話しますよ。

長くなりましたので、A先生のご経験は次回の記事にさせて頂きます。
次回も、よろしくお願いします!

続きはこちら。

障害があっても、大学卒業を諦めない! 大学の先生にインタビューその2
障害のあるとき、大学生活がどうなるのか、不安に感じたことはないでしょうか。今回は、某国立大学のA先生のご経験を伺い、大学での合理的な配慮の事例をより具体的にご紹介します。個別のケースの紹介をしながら、大学での支援体制やその現状についてもお話を伺いました。

 

 

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